幻聴が聞こえているのは、本当につらいですよね。
人には相談しにくい幻聴ですが、精神科では多くの方が悩む症状のひとつでもあります。
現役精神科ナースが現場で見てきた方々の体験を通じて、つらい幻聴から心を守り、少しでもつらさが軽減できるための対処法をお伝えしていきます。
この記事では幻聴についての難しい説明はしません。なるべくわかりやすく、少しでも気持ちが楽になるお手伝いができれば嬉しいです。
幻聴がつらいときに、まず試してみてほしいこと
まず、今の状況や環境を変えてみるのはできそうですか?
- 手元にあれば、頓服を使って30分くらい待ってみる
- 音楽をイヤホンやヘッドホンで聴く
- 可能なら人の少ないところで散歩してみる
- ガムを噛む、飴を舐める、麦茶やハーブティーなど優しい飲み物を飲む
幻聴がつらいとき、じっと耐える、言い返す、負けないように大声を出す、といった対処をされる方もいらっしゃいます。それは皆様がこれまで幻聴になんとか耐えて、やり過ごすための方法ですから悪いことではありません。
たくさんつらい思いをして、一人で耐えなくてはならず苦しい思いをされてきたことと思います。
幻聴との戦いで疲れてしまう前に、大切な心を守って本来の生き方、過ごし方をしてほしいと願っています。
幻聴は脳が疲れているSOSサイン

幻聴がつらいのに何かするのって難しいんじゃない?
幻聴は、脳が疲れたりストレスを感じているときのSOSサイン。
ストレスの対処法で、脳が疲れたら身体を動かすと良い、というのもあります。
動くのもつらいときは無理はせず、頓服を飲むだけでも十分に対処ができています。
すこし横になって、脳と身体を休ませてあげることをしてみるのはいかがでしょうか。



これをすれば幻聴が気にならなくなる、自分だけのとっておきの方法があると良いですね
幻聴は、実はいろいろな種類がある
幻聴には色々な種類があります。
- 悪口、傷つく言葉が聞こえてくる
- 過去に出会った近しい人の声が今も聞こえてくる
- テレビが自分のことを言っているのが聞こえてくる
- ピーピー、ザーザーなど雑音、騒音が聞こえる
- 周りの人が考えていることが聞こえてくる
- さみしい時に楽しい話をしてくれる
- 不安な時にどうすれば良いか教えてくれる
『幻聴』といっても、それぞれ違うのでこれらに当てはまらないものも、たくさんあります。
周りの人から「それは幻聴だよ」と言われても、本当に聞こえているので「これは幻聴ではない」と思う方もとても多いです。
また、幻聴は悪いだけではなく、「不安やさみしさを紛らわせてくれるから、あったほうが良い」という方もいらっしゃいます。
つらい幻聴もありますが、一方でもっとつらいことから心を守るための症状なのではないかと感じることもあります。
幻聴かどうかを確かめるには
聞こえてくる声や音が幻聴かどうか、確かめなくてはならないのではありません。
ここでは、確かめたい方に向けて、その方法のいくつかをご紹介します。
- 他の人にも聞こえているか身近な人や医師、看護師などに聞いてみる
- 目の前にいる人が口を動かして話している声かどうか
- テレビやラジオを他の人にも一緒に聞いてもらう
- スマホで録音してみて、あとで聞いてみる
などありますが、このように確かめてみて「聞こえないよ」「言ってないよ」と言われても、信じるのは難しい場合もあります。
実際に聞こえている声や音が、本物の音ではないと受け止めるのはとても難しいことです。幻聴かどうかを確認することで苦痛を伴う場合には、無理に確かめようと頑張らないでくださいね。
また、他の人も聞こえる音と、自分だけが聞こえる音を区別すること自体が非常に難しいので、区別できないことは何もおかしなことではありません。
何度も同じことを確認すると、家族や友人に嫌がられてしまうかも知れません。できれば確認は精神科の医師や看護師など専門の人が相手の方がよい場合もあります。
つらさを一人で抱えず話してほしい


ずっと声や音が聞こえ続けるのは、とてもつらいことです。ものすごく疲れます。
誰かに声や音が聞こえ続けるつらさを話した時に「そんなの聞こえないよ」などと言われて、さらにつらい思いをされた方も少なくないのではないでしょうか。
本当に聞こえているのにわかってもらえない、そのつらい気持ちを精神科の医師やスタッフに話してみて欲しいのです。
残念なことに「それは幻聴だね」とすぐに言う人もいるかも知れません。それでも精神科の専門家は幻聴がつらい症状であると知っています。



誰にも言えなかったつらい気持ちを話してくださり、ありがとうございます。
…というように、つらかった気持ちを受け止めてくれる医師やスタッフもたくさんいます。
こころ穏やかに過ごすために
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
幻聴は他の人にはつらさが伝わりにくい、でもご自身には実際に聞こえてくる声や音です。
最後にお伝えしたいことが3つあります。
- 幻聴とは『戦わなくていい』
幻聴を消そうとしたり、言い合いをして勝とうとするのは、とても気力と体力を消耗します。
どうしても返事をせずにいられないときは、「わかったよ」「もういいよ」と短く返事をして、なるべくご自身が疲れないことを大切にして欲しいです。 - 幻聴があっても『自分を大切に』
ずっと声や音と向き合っている、ご自身をどうか大切にしてください。どうか自分を責めないでください。自分だけがつらい思いをしても、それでも色々なことを引き受けている、あなたはとても優しくて素敵な方です。今日も頑張っているご自身を褒めてあげて欲しいです。 - あなたは一人ではありません
ずっと声や音が聞こえてくることを誰にも言えずに、不安な気持ちとともに抱えてきて来られたのかも知れません。精神科のスタッフは、その不安な気持ちを聞かせて欲しいと願っています。いきなり全てを話すことは難しいと思いますが、少しだけでもつらい気持ちを話してくださることを嬉しく感じます。
この記事が、ほんの少しでも穏やかな時間を過ごすことにお役に立てれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきまして、本当にありがとうございました。









