この記事では、共感を伝える技術を紹介します
こんにちは。精神科に勤務して20年、看護師のなおです。
共感を伝えると聞いて、どうしたら良いのか分からなくて困った場面はありませんか?
私も、共感ってどうやって伝えればいいの?そもそも共感ってなに??と分からなくて困ったことがあります。
この記事では、共感を相手に上手に伝える方法をお伝えします。
・まず相手の話を落ち着いて聞く
・話の中で分からない点があれば、確認しながら聞く
・相手の言葉を繰り返すことで、何に困っているのか分かったことを伝える
・共感=同じ気持ちになる、ではない
・話を聞くときのNGワードがある
共感を伝えるには、まず話を聞こう
共感をいきなり伝えることはできません。まずは、相手が何を困っているのかを知ることが必要です。
最初に、落ち着いて相手の話を聞くことから始めます。
周りがにぎやかな所だったら、少し静かな場所に移動するのも良いです。
立ったままで話を聞くよりも、座ったほうが落ち着いて話ができるので。可能なら椅子やベッドに腰掛けて頂くほうが良いです。
分からないことがあったら確認する
話の中で、いつの話なのか時間の前後が分からなかったり、主語が誰なのかわからなくなったりすることがあります。それは、相談する方も気持ちが揺れる中で一生懸命話しているので仕方ないことです。
話の流れは遮らないように、話の合間の所で「ごめんなさい、〇〇は〇〇ですか?」の様に、丁寧に聞きます。
相手の方には、ちゃんと聞いてくれていると感じて頂けるので、分からないままであいまいに聞くよりは確認することをおすすめします。
また、滑舌が悪い方や呂律が上手く回らない方、吃音のある方などに、何度も聞き返すと相手の方は話す気持ちが失われてしまいます。
少し話を聞いていきながら文脈から理解するようにします。
相手の言葉を繰り返す
共感を伝えるときに、相手の言葉を繰り返す、という技術があります。
でも、むやみに言葉を繰り返されたら、真剣に聞いてくれていない感じがしてしまいます。
じゃあ、どのタイミングがいいの?というと、話の一区切りのときに繰り返す、というのが良いと思います。
そこまでの話を聞く中で感じたことを、「〇〇さんは、〇〇が嫌だったんですね。」という感じで相槌の代わりに言葉を入れます。
ここで、相手の言いたいことと違うかもしれません。気持ちを汲み取れているか不安なときは、語尾を「〇〇が嫌だったのでしょうか?」と、決めつけない言い方に変えるのも良いです。
もし、相手の話の中に、気持ちに関係する言葉があれば、相づちの代わりにその言葉を繰り返すのも良いです。
でも、なかなか気持ちそのものを言葉にして話すのは難しいものです。「悔しかった」「悲しかった」「恥ずかしかった」など、感情を言葉にするのって、自分でも抵抗がありませんか?
ちょっと気恥ずかしいと言うか、言葉にすると認めてしまうような気がすると言うか…。
自分では言えない本当の気持ちを、話を聞いてもらっている相手に言ってもらえれば、「そうそう、そうなの!」と、自分でもはっきりしなかったモヤモヤの正体がわかることもありますよね。
話をゆっくりと聞きながら、どんなことに困っているのか、自分が相手の気持ちの鏡になって返事をする感じですね。
共感とは、同じ気持ちになることではない
共感するというと、一緒に悲しくなったり、一緒に悔しくなったり、ということを想像する方もいらっしゃるかと思います。
実際、一緒に同じ気持ちになってくれたら、相手の方は自分だけじゃないと感じられるので嬉しいです。だけど、状況によって同じ気持ちになりたくても難しい場合もあります。
体験したことのない状況を話されたときに、未体験のことに対しては同じ気持ちになることはできません。近い体験から寄せていくことができれば良い方でしょう。
だからといって、「いや、私にはわかりません」と返事をしてしまったら…。もうその先のことを話す気にはなれません。気持ちに蓋をしたままずっと抱え込んでしまうかもしれません。
もし、同じ体験があって同じような気持ちを思い出すことができても、気持ちを引きづられてしまってはよくありません。
そこのため、相手のつらさを受け止めた上で、次につなげられるように話を進めていきます。
話を進めていく中で、相手の方は自分の気持ちに気づくことで、どうしたら良いかを考え始めることができます。
なので、共感=同じ気持ちになる、ではないのです。
共感しなくてはと思っても、同じ気持ちになれないと悩んでいる方がいたら、それで良いと言います。
汲み取ることと同じ気持ちになるのは別。聞いてる私達は冷静で客観的に、何を困っているのか考えながら聞いている必要があります。
共感を伝えるには、相手の話を自分も理解しながら聞き、話の中から相手の気持ちの部分を言葉にして返す、という点が大切です。
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